痛みについて
身体実質の痛みの原因のうち外傷以外では長年による体の使い方のずれ、その人の緊張状態、その人の姿勢等が大きな原因になります。
中枢疾患の痺れの90%は異常感覚と言われています。
精神的影響により痛みの記憶が残ってしまうとそこから抜け出すにはイメージトレーニング等が必要となってきます。
姿勢による影響
外傷以外では最も多い部類ではないでしょうか。その人の癖、外傷後による体幹姿位のずれが腰部の筋、下肢の関節に負担が大きくなります。その為、姿勢を正常な姿位に近づけることは痛みの改善に大きな影響を与えます。また、左右の下肢に重心が偏位すると各下肢の関節に影響が出易くなります。
また、姿勢が崩れると歩行時重心を進行方向に運ぶことが困難となり、長い距離を歩けない、歩行時の易疲労性に繋がります。
筋緊張状態
日常での筋緊張の高まりは肩関節周囲炎、頸部の痛み、頭痛、腰痛の原因となります。
しかしながら、筋緊張の高まりは普段、人は気づいていないことがほとんどです。人間はいろいろな経験を経て様々な外敵の影響を受け筋緊張は年齢とともに高くなります。筋緊張が高まった状態はつまり筋肉を使い続けている状態なので、筋肉は疲労しやがて使い過ぎで痛みに繋がります。
また筋緊張が高まるとその周囲の感覚も低下してしまいます。余計そのことが緊張の高まりを認識しづらくします。そのような場合は感覚訓練等でそのことに気づいてもらうことが重要となります。
精神的影響
痛みは必ず精神的影響を受けます。痛みの記憶は脳に刻まれ、それに従った行動をとるようになります。例を挙げると、痛みが出ると人間はその部位を考えたくなくなり(人間の防御本能というかそのことを自分から遠ざけようとします)、そうするとその部位の認識が低下します。結果その部位の動作の低下につながります。
また、関節に痛みが生じるとその部位の緊張が高くなります(人間は痛みがあるとその部位に力を入れて痛みが出るか確認する。あるいは痛みが怖くてそこに意識が向いてしまいます)。そうするとそこを使うたびに痛みが発生している部位の緊張(痛みが怖くて)が高まりその筋に更に負担をかけてしまいます。その様に精神的影響で負のスパイラルから抜けられなくなるのです。ひざの痛みのを抱える私の患者さんの多くはその病態に陥っていました。
その様な症状の治療にはイメージトレーニング等の訓練が必要となります。
痛みの治療と感覚
極端に言うと痛みは触れただけで改善することができます。痛みの部位は通常本人が気づかないくらい強い緊張状態になってしまっていて、その部位も分からなくなってしまっていてます。セラピストが触れることでその部分に意識が向き、意識が向くと人間は自然と緊張が若干緩みます。そのことだけでも痛みの改善の第一歩となり多少の痛みの緩和がみられます。つまり痛みの部位を特定することはとても大切になってきます。
加えてその部位の感覚訓練をすると更に筋緊張が緩みます。人間は感覚に意識を向けると驚くほど緊張が緩みます。一度やってみてください。それだけでも痛みの治療に大きく前進できると思います。
メンタルローテーション
運動イメージが改善すると痛みが改善することが証明されています。